Columnコラム
ゆりを知る
球根の形と「百合」の関係 球根の形と「百合」の関係
2021.08.20 ゆりを知る
ゆりを漢字で書くと「百合」となりますね。
どうしてこのような字が使われているのか、ご存知でしょうか。
それは、ゆりの球根を見てみるとわかります。
ゆりの球根は鱗茎(りんけい)と呼ばれ、鱗片(りんぺん)が幾重にも重なっています。
ウロコのようにぺらぺらと剥くことのできるゆり根を思い浮かべてみると、わかりやすいかもしれません。
このように、層状にたくさん重なり合っている様子から、「百」と「合」という字で表現されているようです。
鱗片は葉が変化したもので、それが集まった鱗茎(=球根)は、実は根ではなく茎の部分。
そこにたっぷりと蓄えられた養分を使って、ゆりは生長していきます。
同じように球根から育つチューリップなどと違うのは、葉から得た養分を球根内部に取り込んで新しい鱗片をつくり出し、球根自体を大きくしていけるということ。
土の中で球根が頑張ってくれることで、ゆりの花も美しく咲けるのですね。
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」
女性の美しい容姿や所作を表すときに使うこの言葉。
「ゆり」という呼び方は、花が咲くときにゆらゆらと揺れるように見える様子に由来している(諸説あり)といいますが、大きな花が風に揺れる可憐な様は、たしかに美しい女性の歩く姿に見えなくもない気がします。
「百合」「小百合」など、女性の名前に使われることもある「百合」。
また、キリスト教においては、白いゆりは「マドンナリリー」と呼ばれ、聖母マリアのシンボルとされています。
これらは、ゆりの美しく優美な姿が古くから人びとの心を魅了し、数ある花の中でも特別な存在とされてきたことの表れではないでしょうか。
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