Columnコラム
つくり手から
猿子園芸の土づくり ① 猿子園芸の土づくり ①
2022.01.30 つくり手から
猿子園芸では、農薬をできるだけ使わない有機栽培でゆりを育てています。
なかでも土づくりは、一番と言ってもよいほど大切な作業。
どのようなことを行っているのか、少しずつお伝えしていきたいと思います。
今回は、ふかふかのお布団のようないい土をつくるのに欠かせない、
「ぼかし肥料」づくりについて紹介します。
「ぼかし肥料」とは
植物・動物由来の有機質肥料を混ぜ合わせ、発酵させてつくる肥料のこと。
「発酵させる」というのがポイントで、これを混ぜることによって栄養分の高い土になります。
即効性がありガツンと効く化学肥料に比べて、ぼかし肥料はゆるやかにじっくりと効くことで植物がより健康に育ちます。
有機栽培を行う農家では、それぞれ独自の手法で行うぼかし肥料づくり。
猿子園芸でも冬の間、毎週のように繰り返しつくります。
使用するのは、下写真の4種類。
手前から時計まわりに、米ぬか、カキ殻石灰、魚粕、糖蜜です。
できるだけ地域の資源を使いたいとの思いがあり、どれも地元や県内から取り寄せています。
割合は2:1:1:0.5といったところ。
糖蜜は、元菌(発酵促進剤)の代わりとして入れています。
手順はいたって簡単。すべての資材をゆっくりと混ぜ合わせるのみ!
(※通常、機械を使っていますが、今回はわかりやすく手で行いました)
粉類をある程度混ぜたあとに、糖蜜を入れます。
均等に混ざったら、袋に詰めて冷暗所に保管。
4〜6カ月ほど寝かせ、発酵させます。
できあがったぼかし肥料を使い始めるのは、春から夏にかけて。
堆肥とともに畑に撒くことで、土の中の養分バランスが保たれます。
土の中にいる無数の微生物たちが養分を食べ、分解することで土の質が決まります。
そんなかれらの食事は、栄養バランスのとれたものを、というわけです。
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