Columnコラム
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2023.04.14 ゆりを知る
ゆりの根っこがどこにあるか、ご存知でしょうか。
「球根」に「根」という字が入っているので紛らわしいですが、
実は、球根は根ではなく「茎」なのです。
(「球根の形と「百合」の関係」も併せてご覧ください)
そして、根っこは球根の上にも下にも伸びていて、それぞれ異なる役割を持っています。
根を張り、エネルギーをためるための「下根」
球根の下から生える根を「下根(したね)」といいます。
下根の役割は、土のなかにしっかりと根を張り、茎を支えること。
そのため、芽が出るより前に、下根は球根から長く伸びています。
茎の長いゆりの重さを支えるために、球根の下の根っこはとても重要なのです。
上写真は花が咲き、刈り取ったあとの球根。
土のなかに放置しておくと、球根にエネルギーを蓄えるためにどんどん大きくなります。
右の球根は小さく下根がほとんどないのに対し、
左の球根は大きく膨らみ、下根もたくさん出ているのがわかります。
これは、右は花がきちんと咲き、左は咲かなかったことを意味しています。
花が咲いた球根はエネルギーを使い切って下根もなくなります。
逆に、花が咲かなかった球根はエネルギーをためこみ、次の収穫に備えるというわけです。
茎や花の生長を助ける「上根」
「上根(うわね)」は球根の上に(実際には地下茎から)生える根のこと。
「上」といっても根っこであることに変わりはなく、地表には出てきません。
土のなかで水分や養分を吸い上げ、茎を伸ばし葉をつけ花を咲かせるために、
植えつけ直後から旺盛に伸びていきます。
花を刈り取ったあとの茎の内部はスカスカになり、球根にも栄養がいかなくなります。
そうなると上根は役目を終え、今度は下根から栄養をとって球根を太らせるのです。
上根、下根、それぞれに大切な役割があることがわかっていただけたでしょうか。
球根と2つの根っこの関係性はとっても親密。
土のなかで力を合わせ、地上にきれいな花を咲かせているのですね。
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