雫々 したたり

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Columnコラム

花のある暮らし

季節のしつらえ ― 冬 ― 季節のしつらえ ― 冬 ―

2023.02.13 花のある暮らし

季節ごとの飾り方をご紹介していくシリーズの最後は「冬」です。
(「秋」をとばしてしまいましたが、また追々……)
雫々と同じ雫石町の知る人ぞ知る喫茶店「風光舎」さんで撮影させていただいたのは、
こんこんと降りつづけた次の日の朝。
白に覆われた風景に、花々の鮮やかさがいっそう映えます。

 

 

窓辺に、ちょこんと

雪化粧した景色をバックに、淡いピンクのスカシユリがひときわ際立ちます。
ユーカリの実、ちくちくとした葉っぱのブルーアイス、写真では見づらいですが
アンティークな色味のリューカデンドロンを合わせました。
ふわふわとした質感というよりは、個性的な形や色合いのグリーンがしっくりくる組み合わせです。

 

 

 

しつらえに調和しつつ躍動感をプラス

動きのある中くらいのアレンジを、趣あるアップライトピアノの上に。
大きめの白のオリエンタルを中心に、ホワイト&グリーンのシンプルな色味でまとめました。
使用したのは白い小花がかわいいコデマリ、緑色のトルコキキョウ、黄緑色のスプレーバラ。
コデマリの弓なりにしなる様子が適度にエレガントさを与えてくれています。
濃いブルーの花器もクラシックなしつらえにすっとなじみ、花々を引き立てる立役者に。

 

 

 

小花とともにちんまりアレンジ

テーブルの上には、小さめのアレンジが好ましいですね。
つぼみのままの白のオリエンタルにホワイトレース、アリウム・コワニーといった、
いずれも小ぶりの白花を合わせつつ、コンパクトに。
薪ストーブであたたまりながらゆったりとコーヒータイム。
その傍らにつつましくも愛らしい花たちが寄り添ってくれる、なんとも贅沢な時間です。

 

 

 

光がきれいな窓辺には透け感のあるガラス花器で

午前中のやわらかな光が差し込む、お店の入口すぐの窓辺。
こんな場所には、ガラスの花器にがさっと花を入れるだけでもじゅうぶん様になります。
メインはつぼみのテッポウユリ。テッポウユリは他のゆりと違って1輪しか花がつきません。
ですので、アレンジで使う場合には複数本入れると収まりがよい印象。それだけでも絵になること請け合いです。
今回は上を向いているテッポウユリに合わせてちゅるんとした蔓系のリキュウソウ、
低めの位置にふわふわとしたフィリカや薄桃色のサクラコマチを。
この場所ならではの、ラフでシンプルなアレンジ。ただし、花たちはたいてい直射日光には弱いので注意が必要です。

 

 

 

グリーンで動きをだす

すばらしい景色に囲まれた場所なのでどうしても窓辺に置きたくなるのですが、
今度は窓の高さを生かしてリキュウソウをたらっとさせてみました。
先ほど同様、動きをつけるときに大活躍してくれるのがリキュウソウ。ぜひいろいろなアレンジに採用してみていただきたいです。
ほんのり開きかけの白のオリエンタルと、つややかな花びらが特徴のワックスフラワーを使ったささやかなしつらえです。

 

 

 

照明に合うやわらかい色味

オレンジのスカシユリにつぼみのヒメミズキ、セダムを合わせました。
枝ものはアクセントになると同時に、動きも出せるすぐれもの。
飾る場所に合わせて、長さや枝の向きなどで全体の印象を整えるのにも役立ちます。
今回はお手洗いのちょっとしたスペースに飾るため、小さめにしています。

 

セダムはさまざまな種類がありますが、ブロッコリーやパセリのようなふさふさとした質感のものを使いました。
ゆりのオレンジが引き立ち、全体がやさしい印象に。

 

奇しくも大雪が降った翌日に、とびきり雪景色が似合う喫茶店「風光舎」さんでの撮影。
控えめに言って、ベストマッチでした!
落ち着きとあたたかみのある空間に、ゆりやグリーンたちもなんだか嬉しそうでしたよ。
もちろん、冬以外の季節もすばらしい景色がのぞめます。なにしろロケーションが最高なのですから。
そしてオーナー夫妻もとっても素敵なので、どうぞお店にも足を運んでみてくださいね。

 

 

撮影場所:風光舎
岩手県岩手郡雫石町長山堀切野8−7
https://fukosha.jp/
TEL & FAX:019-693-4151
営業時間:10:00〜17:00(定休日:木・金)
※冬季は変則営業になる場合があります。

撮影協力:花兵衛