Columnコラム
つくり手から
猿子園芸の土づくり ② 猿子園芸の土づくり ②
2022.11.22 つくり手から
収穫最盛期が終わった秋頃には、畑の土も疲れ切っています。
そこで、堆肥という名のごはんを与えます。
これによって、土の中の微生物がしっかりと働いてくれるというわけです。
堆肥は栄養満点のごはん
堆肥は同じ雫石町内の黒牛農家さんから届きます。
基本的に牧草を食べている牛たちの糞なので、においは気になりません。
猿子園芸で育てているコメの藁も彼らのエサとなっていて、生き物が循環していることを実感します!
ハウスの脇に積まれている堆肥(もみがらが混ぜてあります)を、堆肥散布機に移します。
堆肥から湯気があがっていますが、この時点で50-60℃ほどでしょうか。
まだ発酵途中ですが、もっと発酵が進むと70℃くらいまで温度は上がります。
それは「完熟堆肥」と呼ばれ、春頃に使います。
秋に使うのは、届いて間もない肥料分の豊富な堆肥(=微生物のごはん)。
これが、土の中に残った茎や根っこ、球根といった「残さ」を分解する手助けとなります。
冬の間に土の栄養バランスを整える
収穫後、一度耕してしばらく置いておいた畑。
ここに堆肥をまんべんなく撒いていきます。
さらっと撒いているように見えますが、重さにして1トンほどあります。
畑全体に撒き終わると、トラクターで土を耕して表面をならします。
この状態で再度しばらく置いておきます。
土にとっては「置いておく(=寝かせる)」ことがとっても重要。
なにもせず放っておくことで、土の中で微生物が分解を進めてくれます。
冬は雪が数十センチも積もりますが、雪の下、つまり土の中がマイナスになることはなく、微生物も生きているのです。
秋に堆肥を撒くのは、冬の間、微生物たちが活発に動き回れるようにするため。
忙しくなる春に備えて、土の栄養バランスを整えておくのに欠かせない大切な作業なのです。
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